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この半世紀ほどの間、わが国だけでなくほぼ全世界的に糖尿病は増加の一途を辿ってきましたが、その背景には、体内のエネルギー貯蔵が過剰となりやすい生活環境の中で、肥満症・メタボリックシンドロームが急増してきたことがあります。メタボリックシンドロームとは、肥満に伴い、耐糖能異常・高脂血症・高血圧症と言った動脈硬化症の危険因子が集積する病態ですが、その本質は、エネルギー貯蔵の過剰によりエネルギー代謝の調節機構が破綻をきたした状態と考えられます。
当講座は、東京大学大学院医学系研究科代謝栄養病態学講座(糖尿病・代謝内科)を親講座とし、サニーヘルスホールディングス株式会社とサニーヘルス株式会社のご寄付により、平成20年4月に開講致しました。当講座では、中枢及び末梢におけるエネルギー代謝調節の分子メカニズムの解析に比重を置いて研究を推進し、その破綻としての肥満症・メタボリックシンドロームの病態解明を目指します。
講座長 矢作 直也
分子エネルギー代謝学講座は、メタボリックシンドローム(インスリン抵抗性症候群)の病態解明を目指し、様々な角度から分子生物学的なアプローチを行っています。
具体的なアプローチのひとつとして、「インスリン抵抗性とは、肥満状態においてそれ以上太らないようにするためのネガティブフィードバック機構である」という観点から、どのくらい太っているのかという肥満度そのものよりも、あとどのくらい太れる余地があるのかの方がより重要ではないかという仮説の下、後者を表す「肥満余力」という新たな概念を想定しつつ、その分子機序の解明に取り組んでいます。特に、エネルギー代謝の調節系には多くの転写因子が関与していることが明らかとなってきており、転写調節ネットワークの解明という方向からの取り組みに力を入れています。